あの頃があって、今がある

生きていれば壁や困難が立ちはだかることがありますが、私はこれまで「迷わず進め!」「困難は乗り越えるもの」でやってきました。
「人生山あり谷あり」とはよく言ったもので、自分の意志とは関係なく気づけば谷間にいた私。
頑張りではどうにもならないことがあることを学びました。

弟は癌で亡くなりました。
私も両親も最後まで看病しましたが、苦しむ弟を見るたびに、生きて欲しいけど苦しみを長引かせているのではないかという葛藤の日々。
弟が亡くなった半年後、母親が若年性アルツハイマー病になり要介護になりました。
子育て、親の介護、不動産会社の仕事。
一日24時間じゃ足りない。
仕事で培ったスケジュール管理とこれまでの頑張りで乗り切ろうと毎日必死でした。
「私はまだまだやれる」
「やることは山のようにある」
自身を鼓舞し前を向いて頑張ってきた。
しかし私の頑張りは体調不良という形であらわれ、子育て、親の介護、不動産会社の仕事をこなすのが困難に。
仕事は長年やってきたので続けたい。
上司と相談して時短勤務に切り替えましたが、私がやっていた仕事、やりたい仕事はどんどん手を離れ
「私が望んでいたのはこんなことじゃない!」
「なんで私ばっかりこんなことになるの!」
と自分を責めて責めて、そしてうつ病になりました。
普段できていること、簡単なことが全く出来ない。
出来ない自分を責める日々。
うつ病や精神、心理に関する本など読んでいくうちに「今はうつ病だから出来ないんだ」と認識できるようになり少し楽になりました。
同時に、うつ病になって簡単なことが出来なくなったように、世の中には様々な理由で簡単とされる事が難しくて出来ない人がいるということに気付きました。
「迷わず進め!」「困難は乗り越えるもの」ではどうにもならないことがある。
この時の経験が、私の考え方・人生観を大きく変えました。