社会人として、母としての苦悩

面白い不動産会社があった。ここに入社するしかないと思った。そんな、出会うべくして出会った会社だと思った。その会社に入社して、約20年が経とうとしている。よくも、ここまで勤められたなと思う。

若いころは本当に、忙しい毎日で、休みなく仕事をしていたイメージがある。
でも、ただがむしゃらに、自分の成長を目指して、人から認められ、評価され、必要とされたくって、必死に頑張った。
そんなことも今は本当に懐かしい。
入社後3年で早くも結婚。でも仕事を辞める気なんてサラサラなかった。
共働きの家庭に育ったからか、働くのが当然という気がしていた。
母であっても、働きたければ働くべきだと思っていた。
それに、結婚した当時、まだまだ会社に、上司に、同僚に必要とされたい欲求がいっぱいだった私にとっては、どう考えても辞めるタイミングではなかった。
結婚してから約5年。
そろそろ子供も考えた。できるだけ若くして生む方が、リスクは少なく、体への負担も少ないとよく言われる。
2人目、3人目を考えると、もうタイムリミットだと思った。
運良く、30才手前で1人目を妊娠・出産を経験した。産休、育休に入る。
旦那は忙しいサラリーマン。
家にはほとんどいない。
子供と二人きりの生活が始まる。
想像以上に大変だった。
赤ちゃんの時は、なぜ泣いているのか分からない、抱っこしても泣き止まない、睡眠不足が半端ない。
気づけば1日誰とも話をしないなんて日常茶飯事。
話し相手がいない、誰にも必要とされていることが実感できない。
少し大きくなってきてからは、さらにひどい。
母としてやりたいことがあって、子供のしたいことがあって、でも言葉がお互い通じない。一人目ということで、ご飯はちゃんと食べさせないといけないとか、寝る時間はこの時間とか、離乳食は手を抜かずに作らないといけないとか、毎日散歩に連れて行かないといけないとか・・・そんな、ルールブック的なことに、縛られっぱなしで、苦しくなった。